令和4年度「歩き・み・ふれる歴史の道」を開催しました

「歩き・み・ふれる歴史の道」は、文化財を身近に感じ、郷土に対する理解を深めていただくため、矢板市教育委員会と矢板市文化財愛護協会の共催で、平成8年度から実施しています。

新型コロナウイルス感染症の流行や天候に恵まれなかったことから、しばらく開催できませんでしたが、今年度は晴天のもと、令和4年6月5日(日)に総勢24名で長井地区の文化財を巡りました。

今回巡った文化財の一部を紹介します。

堀之内城

室町時代末期の城館跡。昭和7年に考古学者「丸山瓦全」らが実地調査した。塩谷氏に仕えた渡辺氏一族や手塚一族が構えていたとされ、別名、長井館とも言われている。
天正17(1589)年10月1日に那須勢が攻め寄り、城主の渡辺信濃守が自害。この時に落城したとされる。

宮下石仏群

江戸から昭和にかけて建立された地蔵尊や馬頭尊、十九夜供養塔、庚申塔が1箇所に集められている。
このうち、中央の一番高い石仏は、天保10(1842)年11月念仏供養・女人講中と記されており、その姿から「聖母子像」ではないかと言われている。

嶽ノ端不動尊

文政6(1823)年6月吉日、万人供養のため建立。不動尊は丈が3尺3寸(約1m)、幅が1尺6寸(約50cm)。
縁日は旧暦7月28日で、地区の方々が念仏を唱えて供養していた。しかし、現在は行われていない。

多賀三嶋神社

建久2(1191)年、近江の多賀神社と伊豆の三島神社より分祀し創建。毎年、創建日を大祭日としていたが、現在は3月最終日曜日に変更されている。
この日、五穀豊穣と家内安全を祈願するため、神楽(市文化財指定)が奉納されている。

動画:YouTube「とちカルMOVIE」チャンネルより

上長井遺跡

昭和34年と同43年に発掘調査が実施された。この結果、縄文時代後期の住居跡が北関東で最初に発見された。学術的に重要な遺跡であることから、市の史跡に指定されている。

参考文献

● 矢板市史編集委員・編 1981 『矢板市史』矢板市
● 郷土誌編纂委員・編 1982 『長井郷土誌』長井行政区
● 矢板市教育委員会 2016 『矢板市の文化財 〜第3版〜』

まだ小さいリンゴ。
摘花されています。

旧長井小学校で集合写真。お疲れ様でした。